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ヌキありメンズエステとヌキなしメンズエステの違い
いまや全国津々浦々に存在するメンズエステ。最初から「ヌキ」が前提の風俗エステを除いて、メンズエステのホームページにはほぼ100%の確率で「当店は風俗店ではありません」の表記があることだろう。しかし実態は、その文字の通り全くヌキの気配すらない施術内容のお店もあれば、「ヌキ」のあるセラピストがいるお店も少なくない。なぜこのような違いが生まれるのかを検証する。
ヌキは違法?
極論ではあるが、違法である。違法かどうかは下記の条項に触れるかどうか、ということが言われている。
『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第2条6項』
・個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業
この条項の通り、性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業に該当してしまうといわゆる「店舗型ヘルス」に該当してしまう。一般的なメンズエステは店舗型ヘルスの許可、つまり「店舗型性風俗特殊営業2号」の許可を受けていない。そのため違法となる。では違法にならないよう、その許可を取得してしまえばいいのではないか?という議論がでてくるが、答えは「極めて難しい」である。
店舗型風俗の許可を取得するのは現実的に無理
一般成人男性であれば多くの方が知っているであろうが、風俗店には店舗型、無店舗型がある。一部の悪質店を除けばそれぞれ風営法の認可を取得しているわけだが、実は「新規の店舗型風俗の許可」は法規制が厳しくなり、現実的には受理されない。それにより「店舗型」の許可が出ている物件はその権利がついているだけで高値で売買されており、それらを使わない新規店は必然的に「無店舗型」となる。よく摘発されたピンサロが名前を変えて再OPENというのを聞いたことがないだろうか?これはその権利が売買されている場合も多くあるということである。つまり、メンズエステ店が自店のサロン、ルームでヌキ行為をする場合、法的にはどのように解釈しても違法となってしまう。
どこまでが違法か
では、ヌキ行為は違法だとして、それ以外のサービスはどこまでが違法の範囲なのだろうか。理論上は「異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務」に該当するかどうか、というところだが、実際この点においては「解釈が分かれる」というのが現実だ。水着、下着になるだけでNGという解釈もあれば、それをサービスとして料金を取ることを違法とする場合もある。また、ディープリンパはグレーだが睾丸マッサージはNGである。鼠径部、乳首などのワードをNGとするケースもあれば「密着」だけでもNGとされる場合もある。それだけで即逮捕!というわけではないが、警察等に指摘・指導される可能性がある。メンズエステ業界は非常にあいまいな状態なのである。
なぜヌくのか
それでは話を戻そう。ではそのような違法な「ヌキ行為」をする店としない店があるのはなぜなのか。結論から言うと「ヌキがある」お店の方がお客様がくる可能性が高く、単価も高くなる傾向があるからである。それを求めている男性客も少なくないし、いわゆる「裏オプ」というお店のオプション表に載っていないサービスでお店に言わずに自分のお金にすることで稼ぐ女性もいる。いいか悪いかは別として、需要と供給が成り立っているためにそういうことが起こっている。
という理由で、メンズエステにも「ヌく」行為をするお店やセラピストと「ヌかない」お店やセラピストがあるということである。とはいえど「ヌくお店は違法だから行ってはいけない」というつもりはない。きちんとリスクや事実を知ったうえで、自分の責任の下に判断し、メンズエステを楽しむことが重要である。